野良猫の糞尿被害を1日でも早く終わらせたいのなら、猫よけグッズを使うよりも自分で捕獲して保健所に送る方法が確実です。
個人で野良猫を殺処分すると状況によっては動物愛護法に抵触しますが、自分で捕獲して保健所に送る場合は違法ではありません。
今回は、野良猫被害の根本を解決するために、警戒心の強い野良猫を捕獲するコツとおすすめの捕獲器をご紹介します。
野良猫を捕獲する方法
野良猫を捕獲する方法には、以下の2パターンあります。
・捕獲機を使って捕まえる方法
・野良猫と仲良くなって捕まえる方法
しかし、侵入してくるすべての野良猫と仲良くなるにはかなり時間がかかりますし、以前に人間に襲われた経験があるせいで何をやっても心を開かない野良猫もいるので、仲良くなって捕まえる方法は現実的ではありません。
それに、心を開いてくれるまでやられっぱなしなのも耐えられませんしね。
そこで、手っ取り早く野良猫を捕まえるにも捕獲機を使いましょう。
捕獲機は安いものならAmazonで7000円ほどで購入できます。少し高いですが、長期的な目で何年も猫よけし続けるのと比べるとコスパも悪くありません。
購入した捕獲機は絶対に私有地の中で使うようにしましょう。私有地以外での捕獲機の使用には役所への届け出や申請が必要で、これをしないと違法行為となる危険があります。
トラブルを避けるためにも捕獲機の使用は私有地内で行いましょう。
餌をあげて野良猫の警戒心を解く
野良猫の捕獲は1度失敗すると、それ以降捕獲機を警戒されて捕獲するのがグンと難しくなります。
なるべく1回目のチャンスで成功させるためにも野良猫の警戒心を解くことが大切です。
失敗したくないのなら、1~2週間程度毎日同じ時間に野良猫に餌をあげてください。
そうすると、次第に野良猫がエサをもらえることを覚え、毎日決まった時間にあなたの敷地に訪れるようになります。
ただ、今すぐ野良猫を捕獲したいのなら、必ずしも必要な工程ではありません。
餌をあげていた場所に捕獲器をセットする
毎日餌をあげて2週間ほど経ったら、いつも餌を置いていた場所に捕獲器をセットしましょう。
捕獲機のセットの仕方
警戒を解くために野良猫に餌をやっていた場合は、捕獲機は毎日エサをやっていた場所に設置しましょう。
いつも餌を置いてある場所に設置することで、あまり警戒されずに中へ誘導することができます。
また、捕獲機に餌をセットするときは、できるだけ捕獲機の奥にセットしましょう。
エサを手前に置くと、扉が閉まることに気づいて逃げだす猫がたまにいるからです。
もし、警戒して奥まで入ってこない場合は、捕獲機の前から細かな餌を捕獲機の奥に続くように置いておくといいですよ。イノシシを捕獲するときによくあるやつですね。
また、捕獲機だけボンと置くと入ることを警戒されるので、段ボールや毛布などを被せてカモフラージュしておくことで捕獲成功率が高まります。
捕獲機の設置場所
捕獲機の設置場所は私有地内の壁際や花壇の手前など、猫がよく通る場所がベストです。
また、近所で餌をやっている人がいるのならトラブルを避けるために、その人から見えない位置に置いておくと安心です。
野良猫の捕獲について理解のない人は、捕まった猫を見てどんな行動に出るか想像ができません。
特に、近所で猫に餌をやっている猫愛誤者の方がいる場合には大きなトラブルになることがあります。
野良猫の捕獲におすすめのエサ
踏み板式の捕獲器にセットするエサは市販のキャットフードで十分です。
ただ、猫を捕獲機の中に誘導するには臭いが強い方がひきつけやすいので、臭いの強い煮干しをエサにするのもおすすめです。煮干しは腐りにくいので、数回使いまわすこともできます。
釣り下げ式の捕獲機ではちくわがセットしやすいのでおすすめです。
また、オス猫ならマタタビが強烈に効くので野良猫がオス猫と分かっていればそちらもおすすめです。
捕獲できたら保健所に連れていく
捕獲した野良猫は、保護を目的として捕まえたとして早めに保健所に連れていきましょう。
事前に保健所に電話して受け取り可能か、手数料がかかるかなど聞いておくといいでしょう。
その際、別の入れ物に移し替える必要もないので、捕まえた捕獲機をそのまま持っていって構いません。
たまに、麻袋に入れるよう指示してくる保健所もあるようなので、その際は丈夫な皮手袋や長袖の服などを用いて怪我しないように気を付けましょう。
野良猫は感染症を持っていることが多いので、もし引っかかれた時は入念に消毒するように。
>>>野良猫の病気は人にうつる?野良猫を触った後にするべき行動とは
野良猫捕獲機の選び方
次に、捕獲機の選び方について解説します。野良猫を傷つけずに確実に捕まえるためにはどんな捕獲機を選ぶのがいいのでしょうか。チェックすべき項目を確認していきましょう!
捕獲機の作動方法から選ぶ
捕獲機は作動の条件から「踏み板式」と「釣り下げ式」の2種類があります。それぞれメリットやデメリットがあるので、使いたい環境に応じて選ぶようにしましょう。
踏み板を踏むと扉が閉まる「踏み板式」
踏み板式の捕獲機は、捕獲機の中にある踏み板を野良猫が踏んだときに扉が閉まる仕組みになっています。
踏み板式の捕獲機は中に突起がほとんどないので、野良猫が暴れても怪我をする心配が少ないメリットがあります。
しかし、体重の軽い子猫にはうまく作動しなかったり、板の隙間に小石が挟待った時に扉が閉まらなくなるなど、苦手な面もいくつかあります。
また、頭の良い野良猫は踏み板を避けてエサだけ食べることもあるので、その時には釣り下げ式の捕獲機を使うといいでしょう。
釣り下げた餌に食いつくと扉が閉まる「釣り下げ式」
釣り下げ式の捕獲機はエサを中で吊り下げておき、野良猫がエサに食いつくと作動して扉が閉まる仕組みになっています。
踏み板式とは違って体重の軽い子猫でも作動できたり、小石の影響も受けないので苦手な場面が少ないメリットがあります。
しかし、野良猫がパニックになって中で暴れた際に、餌を吊り下げた金具でけがをする可能性があるデメリットがあります。
釣り下げ式で野良猫の捕獲に成功したら、早めに捕獲機から出してあげるといいでしょう。
捕獲機は奥行きのあるものを選ぶ
捕獲機を選ぶ際には、奥行きがあるかどうかは必ずチェックしましょう。
奥行きのない捕獲機だとスイッチから扉までの距離が短いため、捕獲機が作動した際に野良猫が扉に挟まったり、扉が閉まる瞬間に逃げられることがあります。
一度捕獲に失敗した野良猫は警戒して捕獲機の中に入ってこなくなるので、1回で確実に捕まえるためにも奥行きのある捕獲機を選ぶのは重要です。
おすすめの捕獲機はこれ!
では、捕獲機の選び方を踏まえて、おすすめの捕獲機をご紹介します。購入の際にはぜひ参考にしてください!
おすすめの踏み板式捕獲器はこれ!
九十金網 アニマルキャッチャー
九十金網のアニマルキャッチャーは野良猫の去勢を目的としたTNR活動でも良く使われている捕獲器で、中の突起が少ないので中で猫が暴れても怪我をしにくく、耐久力もあるので壊れにくいです。
何回も捕獲機を使う機会があるのなら、九十金網のアニマルキャッチャを継続して使うのが良いでしょう。
iimono117 アニマルトラップ
アニマルトラップは組み立てが簡単なので、こういう作業が苦手な方も安心して使えます。
価格はアニマルキャッチャーの半分程度ですが、耐久性も申し分ありません。捕獲機を頻繁に使う予定がない方は、こちらのアニマルトラップがいいでしょう。
金網は黒塗りになっているので、夜に設置しても周りの風景から浮かず、野良猫に警戒されにくい作りになっています。
おすすめの釣り下げ式捕獲器はこれ!
栄工業 捕獲機ジャンボ
栄工業は猫の捕獲機の信頼性に定評のあるメーカーです。
この捕獲機は名前にジャンボと付いていますが、猫を捕まえるには丁度いいくらいで極端に大きいということはありません。
また、ロック機能が付いているため捕獲した動物が中で暴れたとしても逃げ出す心配がありません。釣り下げ式は奥のフックに餌を吊るしますが、奥の扉が開くので餌をセットするのも簡単です。
繰り返し捕獲機を使う予定があるのなら、より耐久性に優れたこちらの捕獲機が良いでしょう。
シンセイ アニマルキャッチャー
シンセイのアニマルキャッチャーは、釣り下げ式の捕獲機の中では一番手が届きやすい価格帯の捕獲機です。
価格は他の捕獲機と比べて安めですが、耐久性は十分なので頻繁に捕獲機を使う予定がない方にはおすすめです。
黒塗りなので夜でも目立たず、野良猫に警戒されにくいです。
※重要!捕獲する時に気を付けないといけないこと
野良猫を捕獲すれば確実に野良猫被害を無くすことができますが、以下のことを守らないと違法行為になることがあります。
どれも難しいことではないので、必ず守るようにしてください。
保護目的の捕獲として保健所に送る
野良猫を保健所に送る際は、保護を目的に捕獲したとして連れていく方がいいでしょう。
駆除目的での捕獲だと、動物愛護法で愛護動物として認定されている猫は保健所も簡単にに殺処分できないので受け取りを拒否することがあります。
本来ならば、保健所には受け取りの義務があるのですが、最近ではこれを拒む保健所があるのです。
都道府県等(都道府県及び指定都市、地方自治法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「中核市」という。)その他政令で定める市(特別区を含む。以下同じ。)をいう。以下同じ。)は、犬又は猫の引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。
動物の愛護及び管理に関する法律
捕獲した猫を受け取り拒否されてしまえばどうしようもないので、保護を目的に捕獲したとして渡すことをおすすめします。
必ず私有地で捕獲機を使う
捕獲器の使用は必ず私有地で行うようにしてください。
垣、柵その他これに類するもので囲まれた私有地外で捕獲器を使うと鳥獣保護法の狩猟鳥獣の捕獲に関する規定に抵触する可能性があります。
私有地以外での捕獲機の使用は申請や免許が必要とります。免許どころか、愛護動物である猫の捕獲には許可が下りるか分からないので、必ず私有地内で行いましょう。
これだけのことを守れば、野良猫の捕獲を規制する法律は無いので安心です。
鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律 第十一条第二項
次のことをすると違法になるので注意!
動物愛護法で猫は愛護動物に認定されているので、みだりに殺したり傷つけると違法行為となります。
いくら糞尿被害の原因である憎き野良猫と言えど
- 長期間餌を与えず衰弱させる
- 暴行を加える
- みだりに殺処分を行う
- 劣悪な環境に放置して弱らせる
- 負傷している猫に適切な保護をせず放置する
この4つのことをすると動物愛護法違反となり、2年以下の懲役または200万円以下の罰金となるので注意してください。
捕獲した猫が飼い猫でないかの確認
捕獲した猫が野良猫なら保健所に保護目的で連れてきたというだけで解決しますが、飼い猫だった場合は話が別です。
飼い主に器物損壊罪として訴えられてしまうと、3年以下の懲役または30万円以下の罰金若しくは科料が与えられます。
首輪がついていない場合は判断が難しいですが、捕獲した猫が首輪を付けている場合には絶対に保健所に連れていってはいけません。
捕獲した猫の飼い主を見つけて、「首輪が無ければ保健所に送られていた」とか「事故に合う危険」などを説明して外飼いしないように説得するしかありません。
捕獲器で野良猫との戦いを終わらせよう
捕獲器で捕まえてしまえば、たとえ猫よけグッズが効かなかった猫でも確実に被害を無くすことができます。
保険所に連れていくなど手間もかかりますが、猫よけグッズを試しては慣れられるようなイタチごっこを続ける労力やコストを思えば試す価値はあると思います。
ただし、くれぐれも法律に抵触しないようお気を付けください。
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